空いてるとか、真価とか。

仕事

朝の京葉線。
いつもの通り、少し早めの電車に乗る。
緊急事態宣言が出る前から、やはり空いている。

この時間で座れるなんて、まずなかったし。
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何より、席が空いていても、皆さんあまり座らない。
確実に様々なことが変わってきている。

 

さて、そんなここ数日。
自粛要請、緊急事態宣言に従い、テニススクールも休館。

とはいえ、一足飛びに仕事も休みというわけにもいかず、
休館や今後に向けて、あれこれ準備に追われていた。

朝の駅前もこんな感じ。
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まったく人がいないわけではないが、
こんなショットが簡単に撮れるような状況はやっぱり異常だ。

帰りの電車もこんな。
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もともとそんなに混み合う区間ではないけど、
ここまで人が乗っていないのは、やっぱり普通じゃない。

新宿駅付近も平日の昼間から百貨店が閉店し、
いつもは人で溢れている南口も人がまばら。
シュールっていうか、終末観すら感じられる都心の風景だ。
嫌でも、確実に今、非常事態にあることを思い知らされる、

 

3.11の時もそうだった。
地面から泥が吹き出し、平らだった公園や道路が波打っていた。
電柱は倒れかけ、少し先ではコンビナートが真っ赤に燃えていた。

まずは現場の状況を確認しなければと、
32階から階段を駆け下り、車に飛び乗った。

オフィスから各スクールに向かう道路はどこも大渋滞。
行き場があるのかないのか、多くの車が立ち往生をしていた。

極めつけは、津波と原発だった。
この世の終わりかと、生まれて初めて思った。
すべてが非常事態だった。

もちろんテニススクールを開けている場合じゃなかった。
そもそも施設も被害を受けているし、電気も危ういのだから。
平和だらからこそ、ある仕事ってことを思い知らされた。

 

そしてまた、日本は、いや世界は非常事態に直面している。

非常事態こそ、真価が問われる。

どんな意思決定をするのか。
普段から意思決定をしていない者は、意思決定はできないだろう。
これまで通り、ただただ指示を待つしかない。
そして、対応はどんどん遅れていく。

どこを見て仕事をするのか。
お客様、スタッフ、上司、部下、世の中・・・。
普段どっちを向いているかで、その動きは違うだろう。

指示を待つのか、誰かの為に何をするのか。
お客様は何が不安で、何が心配になっているのか。
そんな想像力が働くか。

普段から、そのベクトルを持っていない者は、
満足な対応をすることも、いや考えることもできないだろう。

スタッフは、何が不安で、何に困っているのか。
普段の方向性が、その想像力のすべてだろう。

 

この危機に出口が見えた時、お客様もスタッフも
変わらず一緒にいてくれるのかは、今にかかっている。
そしてそれは、これまでにしてきたことから導き出された
今回の意思決定による結果なのだ。

 

会社はどうなのだろう。
売り上げは? 業績は大丈夫か?
非常事態になって、急に心配しても、何も見えない。
ただただ心配だけが大きくなるだけだ。

普段から財務状況や利益構造を考えていないのに、
急に何かが浮かぶわけもない。

世の中はどうなっている?
他の業種は?
同業他社は、どんな方向性でどんな対応をしている?

非常事態になって、急に情報を取ろうとしても無理。
普段からどんなアンテナを張り、どんなネットワークを持っているか。
それがあるから、広範な情報が得られ、より高い精度の意思決定ができる。

 

結局のところ、普段がそのまま、より明確にあぶり出されるだけ。
非常事態だからの、スーパープレーは生まれない。
普段からやっていること、持っていること以上のことは出来ないのだ。

非常事態になってから思い知っても遅い。
きっと思い知る機会は、3.11とは言わないが、小さい場面でもたくさんあったはず。
だから、日々積み重ねてきた地力が大事なんだと思う。

私たちは、きっとこの非常事態も収束させる。
事が収まって、「喉元過ぎれば」になるのか、より力をつけようと思い、動くのか。
真価は平時の日々の行動で決まり、非常事態で問われる。

地力をつけよう。
大雑把で分かりにくいけど、思考、情報、処理、分析、その他諸々、
仕事のプロフェッショナルとして、人として、力をつけておくことが大事。

そして、今この瞬間も真価を問われている。
持っているものをフルに活かして、前に進もう。
明けない夜はないが、どう明けさせるかは自分次第だ。

ためブロ

ためブロ

福島県生まれ。 普通の公務員の家に育ち、小〜中学校はバスケットボール部に所属。 強豪校のあまりに厳しい練習とレギュラー争いに嫌気がさし、個人スポーツをやることに。 高校で見つけたのがテニス。 当時まだ硬式テニス部は少なく、進学した高校でもまだ「テニス愛好会」だった。 テニスといえば女子、しかも愛好会という緩そうな雰囲気に惹かれ入部。 しかし、女子はおらず、東北なのでクレーコートが使えるまで、毎日ランニングと素振りの日々。 加えて、素振りをした途端に、先輩に「センスなし」から一刀両断。(笑) そんなテニスとの出会いが、今に至り、テニスで生きているという不思議な人生。 テニスを軸にたくさん勉強させてもらったことを駆使して、 テニス業界、スポーツビジネス界で生きている今現在。 座右の銘は「努力に勝る天才なし」 セミナー講師や研修も得意技。

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