まだこれからすべきこと、しなければいけないことはたくさんあります。
忘れないこと、続けることです。
頑張ろう、日本!
そんなわけで昔話の続き。
もうこれで最後にしよう。
夜な夜な、ベンベンベラベラとベースを練習し、ようやく形になってきた。
オリジナルメンバーも「最近、上手くなった」と言っていたらしく、
なんとか文化祭のライブにも間に合いそうな雰囲気に。
ちなみに、いちおうの受験勉強はしていたが、
0時過ぎは練習タイムだから、何もしていない。
ライブに向けては良い雰囲気の一方、
受験には暗雲が立ち込めていることに気づいてはいるが
気づかないふりをしているのが、ワタクシのおめでたいところである。
そして秋になり、とうとう本番の日。
自分たちの出番は最後から2番目という好位置。
さすが、ちゃんと活動しているバンドである。
出番を前にして体育館の裏でチューニング。
何やら背中に気配を感じ、振り向く。
なんと両親が立っていた。
「あ・・あの、いや、これは・・・」
言葉を失うワタクシ。
そして二人が言った。
「がんばれよ。聴かせてもらうから」
どうやらバレていたらしい。(滝汗)
たしかに深夜、アンプを通さないとはいえベンベンと音を出してたし、
今にして思えば、どうやって家からベースを持ち出していたのかも憶えていない。
きっと諦めて文化祭まではやらせてやろうと思ったのだろう。
それにしても文化祭に親が来るとは思わなかった。
これも想定外であり、喉から心臓が飛び出るかと思った。
そんなわけで本番。
多少の失敗もあったけど、楽しく演奏できた。
選曲がマニアックすぎて観客がどうとったかは分からないけど、
やっぱりステージは楽しいなと思った高校最後の文化祭だった。
最後に出てきたのは、メチャうまと評判のバンド。
ギター、ベースの二人はプロバンドでも演奏しているという話だった。
そういえば、以前行ったライブでギター弾いてたような。
出番を終え、ステージ袖で彼らの演奏を聴く。
パーカッションの響きから始まったその曲は、高中正義のBlueLagoon。
完璧なコピー、メチャ上手い。
なんだこの曲。
歌、無いし。
実はこの時初めて高中を聴き、インストを知った。
自分たちの演奏の余韻に浸る間もなく、ぶっ飛ぶワタクシ。
そして次の曲。
それが、増尾好秋のSunshine Avenueだった。
すごいドライブ感と演奏テク。
福島の片田舎に、しかも同じ学校にこんなヤツらがいるのかと思った。
文化祭出演バンドのオーディションを彼らが仕切っていたのかも納得の演奏だった。
達成感とともに、自分の演奏なんて素人以下だなと思った高校3年生の秋だった。
さあ、受験勉強しないとね。
さて、そんな30年も前の文化祭で一気にハマったフュージョンというカテゴリ。
高中正義師匠はもちろん、プリズム、増尾好秋と聴きまくった。
時代的にもドライブのBGMにはフュージョン系がオシャレみたいな
雰囲気もあったのだろうけど、とにかく聴きまくった。
そして今もiTunesには高中もプリズムも増尾も詰まっている。
そして高中師匠のライブには今も通っているのだ。
しかし、あの日聴いた増尾好秋はニューヨーク在住の
ジャズギタリストってことで、たまの帰国でライブをするくらいらしい。
生で聴く機会はなく、気づけば30年以上が経っていた。
しかしある日、Facebookを見ていたらフォローしている
増尾好秋師匠のライブ予定に近所の店が入っていた。
こりゃあ、行くしかないっしょと、30年来の思いを果たすべく、
なんとか仕事をやっつけてライブハウスに向かったのは
先日書いた通りである。
(奥に増尾さんをはじめメンバーが)
興奮を鎮めるべく、若干飲みすぎた中、演奏が始まった。
感涙で視界が霞む。
ドラムの彼は20歳なんだそうだ。
演奏に熱が入りすぎてスティクを飛ばし、
ワタクシの足に当たり、渡してあげるというハプニングも。
なんというかぶりつき席。(笑)
増尾さんの演奏は時に優しく、時に激しく、素晴らしいものだった。
30数年前に買ったLPのSailing Wonderも演ってくれてさらに感激。
ついつい酒もすすむクンである。
最後に勇気を出して増尾氏に話しかけた。
「高校時代、文化祭で聴いたSunshine Avenueからのファンです。
30数年経って、ようやく生でお会い出来ました」
勝手な思いをぶつけるワタクシに、握手をしてくれて
「今後は日本での活動が多くなるから、また来てね」
と優しい笑顔の増尾氏。
とても楽しい夜だった。
また行きます!
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