この話、そろそろ終わりにしよう。
冷や汗の3回戦を何とかクリアし、
なんとか準決勝に辿り着いた。
相手は第4シードを下して勝ち上がってきた旭・前田ペアだ。
やっぱりこのペアは強い。
ここが上がってくるのも予想通りだった。
試合直前の澤村コーチ。
「ここには負けたくないんです。
エキサイトし過ぎて、失礼なことがあったらスミマセン」
負けたくない気持ちはワタクシも同じである。
ここまで来たら気持ちしかない。
絶対に勝つ!という思いでコートに入った。
試合開始。
澤村コーチの最初のサービスゲーム、2ポイント目。
前田コーチのリターン。
セカンドサービスをフォアで思い切りストレートにアタックされた。
ボールはワタクシの横を抜け、エース。
前田コーチ、「カモ~ン!」の雄叫び。
こういう展開はある程度予測していた。
ワタクシたちのペアは、澤村コーチ75%、
ワタクシ25%くらいの戦闘力だから、
当然、ワタクシを狙って勝ちに来るはずだからだ。
しかしこのリターンエースで逆に気が楽になった。
「やっぱりそう来るか。ならば思い切り受けて立とう」と、
開き直ることが出来たのだ。
試合は荒れ気味。
詳しい展開は憶えていないのだが、
互いのサービスをブレークし合い、
勝利の女神があちこちに浮気をする、
どちらが勝ってもおかしくない状態だった。
そして終盤、5-4でワタクシたちにマッチポイントが来た。
旭コーチのサービス。
ファーストはフォルト。
緊張のセカンドサービス。
旭コーチもビビっていたのだろうか?
極端にスピンの掛かったボールが飛んできた。
これがテンパっていたワタクシにはフォルトに見えた。
いや、フォルトになることを祈っていたのかもしれない。
しかしボールはオンライン。
ワタクシのフォアのリターンは思い切りフケてアウト。
千載一遇のチャンスに弱気が出てしまった。
キレかける澤村コーチとワタクシ。
しかしここは何年も組んできた仲。
何とか気持ちを切り替えた。
結局、このゲームを落としてしまうのだが、
実はこのゲームでひとつの重要なポイントがあった。
旭コーチのセカンドサービス。
ワタクシはキッチリ構えて、フォアで思い切り叩いた。
ワタクシとしてはほぼフルショットだった。
通常は相手のボレーが浮いて、
澤村コーチがポーチで決めるパターンだ。
ところがそのリターンを前田コーチがポーチに出てきて、
キレイに決められてしまった。
自信にあったリターンだけに、理解に苦しむワタクシ。
「あれでもポーチに来るのか・・・?」と独り言のように言うと、
澤村コーチから天のアドバイスがあった。
「ポジションが後ろ過ぎるんです。
いくら叩いても、あそこだと時間的な余裕が出来てしまうので
前田コーチならじゅうぶんポーチを狙ってきます。
前で叩きましょう」
このアドバイスが試合を分けた。(と、ワタクシは思っている)
試合はもつれ、5-6で相手のマッチポイント。
前田コーチのサービス、リターンはワタクシだ。
前田コーチのサービスは威力もあるし、
左利きだから非常に受けづらい。
良いサービスが入れば、リターンミスか
旭コーチのポーチで試合終了である。
後で聞いたら、この場面で澤村コーチは9割方諦めたそうだ。
確かにここまでの流れでは無理も無い。
そして前田コーチのサービス。
ワタクシ、さっきの澤村コーチのアドバイスを思い出した。
「どうせなら強気で前で勝負しよう!」と決めた。
そして、それまでのポジションより思い切り前に構えバックハンドリターン。
すると、前田コーチがファーストボレーを痛恨のミス。
デュースになった。
澤村コーチはこのリターンを見て、
「おっ!まだイケるぞ!頑張ってみよう」
と思ったそうだ。
ここから息を吹き返しブレークバックに成功。
タイブレークに持ち込む。
タイブレークもどちらに転んでもおかしくないシーソーゲーム。
マッチポイントが行ったり来たり。
何度目かのマッチポイント。
前田コーチのサービス、ワタクシのリターン。
当たり損ねたフォアのリターンが浮いた。
ラッキーなことに前田コーチがハイバックボレーを繋いできた。
ここしかない!とバックハンドを思い切り振りぬいた。
ボールは2人の間を抜け、ベースラインギリギリに入った。
「よっしゃぁぁ~!」
ようやく決着がついた。
長かった、そして疲れた。
でも、勝てて良かった。
澤村コーチにも、旭コーチ、前田コーチにも感謝である。
後で聞いたら、隣のコートではゲストプロが打ち合っていたのに
皆、こちらのコートを観ていたそうだ。
申し訳ないです。
とまあ、そんな準決勝を戦い、すべてを出し尽くした澤村コーチは、
シングルスの決勝は集中しきれずに岩本コーチに敗れてしまった。
そして迎えたダブルス決勝。
これまたすべてを出し切ってしまったワタクシたちは、
何も出来ずに渡辺コーチ・岩本コーチのペアに敗れてしまった。
「あの準決勝がすべてでした・・・」とは澤村コーチの弁。
ワタクシも同感である。
しかしもう少し良いプレーをしたかったなぁ。
悔いの残る決勝戦だった。
表彰式では、「来年もこのペアでお願いします!」と
公言してしまった澤村コーチだが、本気なのだろうか?
ここで言ってしまえば、飲んで口説く手間が省けると思ったのかな。
まあ、次のことは追々考えることにしよう。
と、長々と書いたが、練習段階から色んなことがあり、
たくさんのことを勉強させていただいたAllstarClassicだった。
本当に色んな方々に支えられてのAllstarClassic、
最後にお礼を述べさせてください。
本当にありがとうございました。
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