テニスを教わった

テニスの技術は日進月歩である。

新たなチャンピオンが生まれ、技術論も変わる。
これはいたって普通のことだ。

しかし、自分のプレーそのものはなかなか変わらない。
やはり、自分がテニスをはじめた年代によって、
ある程度、プレースタイルが決まる。
そして、それを変えることは、結構難しい。

ワタクシがテニスをはじめた頃は、ボルグ、コナーズの全盛時代。
つまり、トップスピンとフラットのベースライナーの戦い。
そこに、クレー育ちのバリバリのトップスピナーであるビラスや、
変幻自在のテクニシャン、ナスターゼが絡んでいた。

そこに、いきなり殴りこみをかけたのが、天才的なタッチと
セオリー無視に見えるフォームのマッケンローである。
今まで見たことも無いような打ち方とパフォーマンスに
テニスはじめたてのワタクシたちは熱狂した。
今もワタクシは、マッケンローが大好きだ。

当時、日本のテニス界は、福井プロの全盛時代が
はじまろうという時期であった。

世界のトッププロのプレーは、体格も違うし、
正直、未知の世界だった。
ワタクシたちは、福井プロのフットワークと
針の穴を通すようなコントロールにあこがれた。

そんな、テニススタート期を過ごしたワタクシにとって、
トップスピンは身近なテクニックではなかった。
やはり、しっかりフラットで押すフォアと、
スライスのバックハンドが中心のプレースタイルだった。

正直に告白すると、ワタクシがトップスピンを覚えたのは、
コーチを仕事にしてからである。
コーチになってから初めて、トップスピンが打てないと
マズイってことに気づいて、ひたすら壁打ちで練習した。
初めて意識的にプレースタイルを変えたのが、このときであった。

以降、ベッカーやエドバーグ、サンプラス、アガシなど、
様々なトッププロと技術が現れて、世界を制覇していった。
そのたびに、彼らの技術をなんとか理解し、
自分のプレーに取り入れようとしたが、
やはり、根本を変えるのはなかなか難しい。

・・・と、長い前フリから、本題だ。

松原コーチである。

Matsubara

神奈川県、千葉県で6校のテニススクールを展開する、
㈱テニスクリエイションの代表取締役社長である。
長年に渡る、テニスジャーナル誌の技術解説などで
ご存知の方も多いと思う。

ジャーナル誌の解説通り、松原氏の理論は非常に論理的で明確だ。

「トッププロの技術はシンプルだから
 一般プレーヤにも、むしろ簡単に取り入れられる」
との考え方をベースに理論が展開される。

先日、とある勉強会で松原氏の講義を受けた。
非常に興味深く、またその姿勢に感銘を受けた。

そこで、10月に開催される(社)日本プロテニス協会の
千葉地区セミナーでの講師をお願いした。
セミナーでは、トッププロの最新技術を、ワタクシたちコーチが、
いかに一般愛好家のレッスンに反映させるかについて、
突っ込んでお話しいただく予定である。

講師の依頼と、ここまでのやり取りをメールと電話だけで
済ませてしまっていたというのもあり、
今年、松原氏が新たにオープンさせた、
千葉県印西の松原テニスクラブにお邪魔した。

無理やりの訪問者であるワタクシを快く迎えてくださった松原氏。
テニスウェアを着ていたワタクシに、「ちょっとテニスしましょうか」と、
気さくにコートに誘ってくださった。

ひとしきり打ち合って、技術談義。
その中で、ワタクシのフォアハンドストロークとサービスについての
解析と、松原理論の実地研修をしてくれた。
ワタクシ自身、誰かに自分のテニスを見てもらうとか、
打ち方を基本から教わるのは、何十年振りだろうか。
非常に刺激的で、ためになる時間だった。

その後、Ken’s千葉に戻り、テニスをしたが、
確かにサービスのパワーアップを感じることが出来た。
もう少し、時間を掛けて自分の技術として確立させる必要はあるが、
間違いなく、打ち方の変化による違いは実感できた。

細かい内容は、ここでは書かないが、非常に興味深く、
また実践的なものであった。

詳しく知りたい方、特にコーチの方には、
10月の(社)日本プロテニス協会千葉地区セミナーを
受講されることをお勧めしたい。
まもなく、協会会員には正式な案内が届く予定である。
協会会員でなくとも、コーチの方は参加出来るので、
興味のある方は、日本プロテニス協会までお問い合わせください。

ということで、テニスへの思いが強烈に伝わってきた松原氏。
ほんの2時間弱の訪問だったが、素晴らしい出会いに感謝である。

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