なんとも仕事が終わらない。
「あ~ぁ、終わんないなぁ」と、デスクに突っ伏していると、
どこからともなく親切な小人たちがあらわれて、
歌いながら、ワタクシの仕事を終わらせくれる。
・・・なんてことはないだろうな。
アブナイ方向にテンパってるぞ。
イカン、イカン。
ってことで、ただ眺めていても、何も変わらないので
やるしかないのだが、もうひとつだけ必殺技がある。
秘技 「振りまくりの術」。
どんどん、周囲に仕事を振りまくるのだ。
これによって、ワタクシのプレッシャーは軽減されるが、
周りのスタッフが鬼の形相になるというリスクもある。
しかし、今抱えているのは、誰にも頼めないもの。
仕方がない。
コツコツ片付けよう。
さて、ワタクシたちコーチが試合に出て行くというのは
案外プレッシャーが大きいものである。
試合といっても、別にプロ選手やコーチだけではなく、
一般の方も同じ土俵で戦うのが普通だ。
一般プレーヤーにも恐ろしく強い方はゴロゴロいるわけで、
コーチだからといって、必ずしも勝つとか強いってわけじゃない。
しかし、地元であればあるほど、周囲は「あれ、Ken’sのコーチだよ」
と、どんなプレーをするのか興味深々だったりする。
簡単に言うと、変なプレーはできないってことだ。
その分のプレッシャーも抱えながら、試合をするってのは
結構キツイものがあったりするものである。
Ken’s内でのイベント、AllstarClassicなら相手は全員コーチだし、
ホームコートだし、基本的に応援も暖かいから、観られていることも
良いほうに働くが、外部の試合だとそうはいかない。
他社のコーチの方なんかと当たれば、相手にも応援団がいるし、
互いの意地もあるだろうから大変だ。
テニスの応援といえば、ワタクシの話。
若かりしころ、とある県のオープン大会に出た。
ほとんど知り合いもおらず、完全にアウェイの場所だった。
対戦相手は、某スポーツクラブチェーンのコーチらしかった。
相手ベンチの後ろには、たくさんの応援団がいた。
おそらくそのコーチの生徒さんだろう。
試合がはじまると、これがまたスゴイ応援。
相手がポイントを取れば大騒ぎ。
ポイント前には、「相手ビビッてる!」とか、「たいしたことないよ!」とか、
「ほら、ダブルフォルトするよ」なんて、そりゃもう大騒ぎだった。
最初は冷静に戦わなければと思っていたワタクシだが、
あまりのひどさに、とうとうキレた。
応援団の方に歩いていき、精一杯冷静に言った。
「もう少し静かに応援してもらえませんか」
実は、相手にも言いたかった。
「お前もコーチなら、テニスの応援のしかたっての知ってるだろ?
お前が自分の応援団に注意しろよ!」って。
これは飲み込んだけど。
注意された応援の方々は、「なんだ?あの若造」って顔だった。
それから、少しだけおとなしくなったが、それでも
(ワタクシのとっては)およそ常識外の応援は続いた。
結局、冷静さを保てなかったワタクシは負けた。
いや、応援のせいじゃない。
弱いから負けたのだ。
独りで会場に入り、負け、独りでの帰り道は長かった。
忘れられない思い出だ。
さて、そんな暗い話題はおいといてと。(自分で書いたくせに)
成田市ダブルステニス選手権大会で、Ken’s成田校の
稲葉コーチ・澤村コーチのペアが優勝した。
実はこの大会、今回が初出場である。
この成田の地にKen’sをオープンさせていただいて、
最近はテニス協会からテニス教室の講師の依頼など
ようやく地元でのお手伝いをさせていただけるようになった。
そんなこともあって、今回は試合への出場となった。
当然ながら、ワタクシからは猛烈なプレッシャーがかかった。
「お前たち、地元の試合なんだから、絶対優勝してこいよ。
Ken’sのコーチ、たいしたことないな、なんてことのないように!」
そんなプレッシャーに打ち勝っての優勝である。
特に稲葉コーチは、一昨年のバイクの事故からの復帰優勝だ。
右肩に大怪我をして、しばらくの間は腕を吊ったままだったし、
もうテニスは出来ないんじゃないかと思ったほどだったが、
持ち前の根性なのか、楽観主義なのかわからないが、
リハビリ&トレーニングを積んで、見事に復活した。
そういう意味でも、ワタクシには涙が出るほど嬉しいタイトルなのだ。
いや、もちろん先輩の澤村コーチあっての勝利だと思うが。
(いちおう言っておかないと)
とにかく、おめでとうだ。
あ、そうそう、祝勝会は、二人の奢りでね。
ヨロシク。
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