いやぁ、びっくりした。
早朝目が覚めたら熱っぽい気がして測ってみたら38度。
そこからはウナギのぼりの40度弱。
こりゃ病院に行った方が良さそうだ。

ずいぶん待って診察を受けるも、コロナもインフルも出ず。
でもメッチャだるい。
で、なかなか会計が回って来ない。
受付でお喋りして粘ってるおばちゃん、はよ帰って。
ようやく処方箋をもらって薬局へ。
ずいぶん待たされる。
説明を聞いてるおじいちゃん。
「これはご気分の悪い時にね」
「なんだって?」
「気分が良くない時に飲んでくださいね」
「どんな気分だって?」
終わらない・・・
つらいぞ40度。
結局3日間、寝て過ごした。
ようやくの休み、今週こそテニスに行こうと思ってたのに。
ああ、もったいない。
さて、シューズのお話。
最近、街を歩いていると、やたらと目に入るブランドがある。
On(オン)である。
スイス発のスポーツブランド。
フェデラーが履いていることで知った方も多いと思う。
ちなみにフェデラーは、単にシューズを履く契約選手というだけでなく、
ブランドづくりにも参画している。
なかなか深い関係なのだ。
最初に見た頃は、ちょっと変わったシューズという印象だった。
独特のソール。
控えめだけど、目に残るロゴ。
そして、スイス発という、なんとなく精密でちゃんとしていそうな響き。
時計でもないのに、スイスと聞くだけで精度が高そうに感じる。
ブランドの背景とは、なかなか強いものである。
当初、ワタクシの周りで履いていたのは、
道具やファッションに少しこだわりのある人たちだったように思う。
「それ、どこのシューズ?」と聞かれる側の人たちである。
いわゆるアーリーアダプター。
新しいものを早めに見つけ、取り入れる方々だ。
皆が履いているから買うのではなく、まだ皆が履いていないから気になる。
こういう人たちが、ブランドの最初の景色をつくるのだろう。
で、そこから少しずつ広がっていく。
感度の高い人が履く。
周りの人が気になる。
店頭で見かける機会が増える。
どこかで見たことのあるブランドになる。
そして、安心して買えるブランドになる。
流行りの広がり方として、実にきれいな流れだと思う。
そして今。
あっちもこっちも、Onである。
特に目につくのが、おじさんたちの足元だ。
もちろん、ワタクシもそちら側の人間なので、親しみを込めて言っている。
ジャケットにOn。
スーツにOn。
出張らしきキャリーケースのおじさんもOn。
黒いOnの遭遇率が、なかなか高い。
なぜ、ここにはまったのか。
まず、価格の位置がうまいのだと思う。
シューズとしては、ちょっと高い。
しかし、買うために人生設計を見直すほどではない。
車や時計なら、家族会議になる。
シューズなら「よく歩くから」で、だいたい説明がつく。
便利な言葉である。
健康と実用性は、買い物の強い味方だ。
仕事をしてきて、ある程度使えるお金があり、足元にも少し気を配りたい。
そういうおじさんにとっては、手の届く、ちょうどいい贅沢なのだろう。
そこに、ビジネスカジュアルの浸透が重なった。
昔なら、スーツにスニーカーは、通勤途中で履き替えるためのものだった。
今は、そのまま仕事をしても、それほど違和感がない場面が増えた。
とはいえ、何でもいいわけではない。
あまり派手だと気が引ける。
スポーツ感が強すぎても、ジャケットとの折り合いが難しい。
でも、革靴に戻るのもちょっと面倒。
その隙間に、黒いOnがすっと入った感じがする。
落ち着いている。
でも、地味すぎない。
スポーティーだけど、頑張って若作りしている感じにもなりにくい。
おじさんの足元には、意外と条件が多いのだ。
しかも、周りの人も履いている。
最初の人には「誰も履いていない」が価値だったのに、
後から買う人には「皆が履いている」が安心になる。
同じシューズなのに、選ばれる理由が変わっていく。
ブランドがメジャーになるとは、こういうことなのだろう。
少し尖った存在として注目され、やがて日常の選択肢になる。
Onは、その道を見事に歩いているように見える。
シューズだけに。
いや、これは言わなくてもよかった。
ただ、最初に履いていた人たちは、今も履いているのだろうか。
もしかすると、もう次のブランドを探しているのかもしれない。
「最近、皆が履いているからね」なんて言いながら。
もちろん、履き心地が気に入って、そのまま愛用している人もいるだろう。
広がったからといって、商品の良さが消えるわけではない。
それでも、「人と違うものを選ぶ楽しさ」は、少し薄れる。
売れるほど、最初の特別感は減っていく。
企業としてはうれしいが、ブランドとしては、
そこからまた腕の見せどころなのだと思う。
このあたり、商売として眺めるとなかなか面白い。
まあ、街で人の足元を見て、ブランドの成長を考えているワタクシも、
十分に面倒なおじさんではある。
黒いOnを履いている人を見て、「なるほど、この層まで来たか」などと思っている場合ではない。
向こうから見れば、ワタクシもまったく同じ層なのだから。
次にシューズを買う時、黒いOnを手に取っていたら笑ってください。
理由はもちろん、「よく歩くから」である。
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