長塚京子ちゃん(さん?)と言うプレイヤーがいる。
残念ながら引退してしまったが、
世界ランクでも確か20位台までいき、
伊達・沢松と共に日本の女子テニスを
世界レベルに引っ張り上げてきた一人である。
グランドスラムでも数々の素晴らしい成績を残しているが、
鮮烈に記憶に残っているのは、有明で行われた「フェドカップ」で
伊達が壮絶な試合の末グラフ・勝った後、
長塚/杉山ペアでグラフ/フーバーペアを破り、
日本の勝利を決めた試合である。
#この試合は、「ナンバー誌」のビデオシリーズでも
出ているので、ぜひ見てください。
その長塚京子ちゃんが中学生の頃、
ウチの会社に練習に来ていた時期がある。
もちろんボクではなく、ウチの社長が見ていたのだが、
社長が練習を見れない時はよく相手をさせられたものです。
京子ちゃんに会ったのは、ある日入社したてのボクに、
「ジュニアの女の子と、もう一人男の子が練習しに来る。
チョット遅れるから相手してあげて。」
と社長から電話が入ったのが最初でした。
「はい。分かりました。」と受話器を置いたボクは、
「ジュニアの相手か。泣かない程度に相手してやるか。」と
子供達が来るのを待っていました。
ほどなく2人のジュニアがやって来ました。
先にコートに出てウォーミングアップを済ませるように言い、
しばらくしてからコートに行きました。
「じゃあ、ボクがボレーで受けるから、一人づつベースラインに入って。」
と、まず女のこと打ち合い始めてビックリ!!!
スゴイ球を機関銃のように打ってくるではありませんか。
「なんだコイツ。ボレーで受けるなんて言わなきゃ良かった。」
と後悔しても時すでにし・・・いまさら止められません。
十分にボクの腕がしびれた頃に男の子の番です。
打ち合い始めてさらにビックリ!!!
もっとスゴイボールがバズーカ砲のように飛んできます。
「なんだなんだ?あぶね~ぞ。」さらに後悔は深まり、地獄のような練習会
(すでに練習をつけるというより、こっちも本気なので練習会状態である。)
は続きました。
最後に試合をしたのですが、女の子には比較的楽なスコアで勝ちましたが、
男の子にはベースラインからエースを取られまくり、ぼろ負け・・・
そうです。
その時の女の子が長塚京子(当時中学生)だったのです。
そして男の子が、今や日本のテニス界を引っ張っている
本村剛一君(同じく中学生)だったのです。
その後の彼らの活躍は皆さんご存知の通りですが、
あの時はホントにビビリましたね。
単純にボールのスピードだけを言うと、
ジュニアも成人もあまり変わらないんです。
むしろジュニアのほうが、こなれてない分速いくらい。
ましてやあの強烈なストロークを武器にしている2人ですから・・・。
ホントに「なんだ?こいつら・・」って後悔しましたもんね。
2人とも打ち終わると一生懸命ボールを拾うし・・・
(「ゆっくり拾って休もうよ。」って心の中で思った。)
練習が終わると礼儀正しくお礼を言うし・・・
(「こちらこそ練習させてもらいました。」と思った。)
本当にテニスに対するひたむきさが伝わってくる子達でしたね。
まあ今にして思えば、そんな2人とテニスをするなんて、
テニスファンにとってはヨダレものかもしれませんが、
あの時は「もう勘弁して。」と本気で思いました。
おかげさまで、次のアダルトクラスのレッスンでは腕がしびれて、
ボール出しが出来ませんでしたから。
そんな悲惨な出会いの京子ちゃんですが、
それからたびたび練習の相手をする羽目に・・・
(本村君とはそれ一回きり・・良かった)
続く・・・