まだこれからすべきこと、しなければいけないことはたくさんあります。
忘れないこと、続けることです。
頑張ろう、日本!
とうとうこの日がやってきた。
レック興発所属、穂積絵莉選手の全日本テニス選手権決勝である。
当日はどんよりとした曇り空ながら、風も無く絶好のコンディション。
少し肌寒いコロシアムに選手が入場してきた。
決勝の相手は今西晴美選手。
島津製作所所属の伸び盛りの若手選手である。
試合開始。
いきなり今西選手のサービスゲームをブレーク。
ただ、お互いまだ様子見なのか全開ではない。
今西選手はディフェンス力の高い選手。
メッチャ足が速く、追いつかないボールはほとんど無い。
機を見て反撃に転じる展開力も素晴らしい。
ファーストセットは穂積選手が取る。
ちょっとひと安心。
と思ったら、セカンドセットに入った途端に大荒れ。
穂積選手の攻撃力に翳りが見え、今西選手ペースに。
ヤバい展開に焦っていたところで、梅田コーチからメール。
「ボールが全然走ってません。これが決勝の怖さか」
ズルズルとゲームを失う穂積選手。
ここでまた梅田コーチからメール。
「フェイスの真ん中に当たっていない。
このテニスで勝ってもチャンピオンとは言えません」
試合中に何とシビアなことを言うのだ、キミは。
結局、セカンドセットは落とす。
運命のファイナルセットである。
実はこの時間帯、レック実業団チームは同じ有明のコートで
3部リーグ昇格を掛けたプレーオフを戦っていた。
所用で会場に来れないボス、現場の仲間たち、
そしてコロシアムとプレーオフコートと
あちこちでメールが飛び交い経過が流れていた。
「22」
「41」
「42ブレーク!」
「圭太頑張れ!」
「ここままいけ!」
もうグチャグチャである。
ファイナルセットも互いに譲らぬ展開。
穂積選手が先にブレークするもブレークバックされ、
両選手のショットも威力を増してきた。
何とか穂積選手のマッチポイント。
しかしふたつあったマッチポイントを取れずにデュース。
ここを取れなければ、5−5で振り出し。
もう心臓バクバクである。
そして、その時は来た。
最後のポイントを取り切り、穂積選手優勝である。
一方、外のコートではレック実業団チームのプレーオフ。
1勝1敗で茢田コーチのシングルスに縺れ込んでいるらしい。
しかも5−5。
一刻も早く駆けつけたいのだが、表彰式があるのでガマン。
今西選手のスピーチには泣けたし、いい表彰式だった。
さて、表彰式のショットを押さえ、外のコートへダッシュ。
うう、カメラが重いぜ。
このプレーオフ、予定していなかったために
梅田コーチは全日本決勝で穂積プロのコーチで出場不可、
井原コーチはテニスキャンプでこれまた出場不可と、
飛車角落ちで戦う羽目になってしまった。
テッパンの梅田、井原がいないのは正直キツい。
梅田コーチは
「この状態で勝ち上がれないなら3部で戦う資格は無いってこと」
と一刀両断に切り捨てるが、そうは言ってもキツいものはキツいのだ。
まあでも、これがワタクシたちの仕事の宿命。
今ある条件下でベストな戦いをするのみである。
着いた時にはまさに茢田コーチが7−6リード中。
もう一歩のところまで来ていた。
日が傾いていて光が足りず、こんな写真しか撮れなかった。(ゴメン)
しかし相手もインカレ選手だったという強豪。
なかなかゲームを取らせてくれない。
穂積選手と同じくマッチポイントを取り切れずタイに。
次のゲームは茢田コーチがキープ。
そして再度、マッチポイント。
互いにネットに詰める展開でのボレー戦。
茢田コーチのボレーが決まった。
見事、茢田コーチの勝利。
涙涙のプレーオフだった。
穂積選手の優勝、そしてレック実業団チームの昇格と
ふたつの勝負に勝った、まさにBIG SATURDAYだった。
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