明治神宮の参道。
木に括り付けられているこれ。
ずっと何かなと思っていた。
木を枯らしてしまうキクイムシを捕まえる仕掛けらしい。
どんな理屈で捕まえられるのだろう。
さて、全国的な人手不足のこの折。
テニスコーチの仕事について考えてみた。
現在、テニススクール業界は絶賛人手不足中。
そのうち人手不足倒産が出るんじゃないかと思うほどに状況は厳しい。
逆に言えば、テニスコーチにとっては今が売り時。
10年前だったら考えられないような採用もあったりする。
コーチと言っても様々な形態がある。
それぞれの働き方と現状について書いてみる。
■アルバイトコーチ
学生、専業コーチを問わず、パートタイムで働くコーチ。
形態は「雇用」である。
報酬の多くは1レッスンあたりのフィーで支払われることが多い。
スクールによって、コーチ1名でレッスンをする体制や、
チーフとアシスタントの2名体制のところがある。
多くはチーフコーチの方が若干フィーは高め。
ちなみにレックテニススクールでは、レッスン前のコート準備や
朝礼の時間もちゃんと時間給を支払っている。
これを払っていないスクールはたくさんあると思うが、違法である。
こういうことからその会社のホワイト度もわかるのでご参考に。
多くのスクール事業者が一番欲しい層がここ。
流動的な人員ではあるが、大学生を中心にここの採用が継続的に出来ないと
スクール運営は一気に苦しくなる。
もちろんコーチ専業の人材はもっと助かるが、そうそうフリーの人材はいない。
「アルバイトでいいです」と言ってくれる人は神様に見えるだろう。
ちなみにアルバイトコーチを人手不足だからと
一人にたくさんのレッスンを入ってもらっていると社会保険付与の対象になる。
本人が扶養に入っている場合、本人の望みとは別に
扶養から抜けなければいけなくなったりするので、
労働時間を管理しておかないと労使双方が不幸になる。
しかしどんどん厳しくなる社会保険制度は何とかならないものか。
まあ、とにかくたくさん確保したいのはここ。
一定のテニス技術とまともな風貌と受け答えができれば、
多くのスクールが採用してくれるだろう。
最近は、副業OKの会社も増えてきたので、
セカンドワークとしてのアルバイトコーチも増えているし、
定年やキャリア終盤を迎えてコーチを目指す方も増えたと思う。
主婦層も大きな戦力だったりする。
■契約コーチ
各社によって呼び方は違うと思うが、形態は「雇用」で、
そのスクールのみで働く契約をしていたり、働く時間が長く、
社会保険対象になっているコーチを指すことが多い。
コーチを生業としている方が多く、準社員的な業務をしている場合もある。
ある程度、コーチングスキルもこなれていること、
コーチ専業なので誰かが休んだ時の臨時対応も頼まれることが多い。
社会保険は勤務実態によって法的に付与が定められているので、
実は「コーチとして優秀だから」という理由で契約コーチになるわけではない。
フルタイムのコーチとして1スクールで働いていくと、
制度上、嫌でも社会保険は加入することになる。
正直、事業者としては負担が増えるので、社会保険付与はきついのだが、
そうも言っていられない人手不足の事情もあるので、
この層も増えていると思う。
多くの場合、契約は一年更新だったりするが、
5年以上継続勤務すれば、労働者(コーチ)側が会社に無期雇用を
申し入れる入れることができ、会社はこれを拒否できない。
フルタイムで働くことで、一定の保証に近い待遇が確保出来るようになった。
一方、事業者側は、雇用責任が重くなった。
このあたりの制度はなんとも納得いかないものの多く、
日本という国は会社を潰そうとしているのかと思うものも少なくない。
なんかなぁ。
でも、レッスンをたくさんしてくれるこの層はとても助かる。
辞められた時のダメージも大きいけど。
上記形態は、労働法の適用職群なので、当然ながら有給休暇もある。
学生のアルバイトでも有給休暇が取れるという夢のような時代になった。
テニススクール業界ではまだ
「アルバイトなのに有給休暇なんて(とんでもない)」
という会社もまだまだ多いと思うが、本当はダメです、それ。
■業務委託コーチ
会社によっては「外部委託」や「外注」と言ったりもする。
「雇用」ではなく、事業主として会社と「請負契約」を結ぶ形態。
労働法は適用されないので、雇用側としては
社会保険や有給休暇などを考えなくて良い。
ただし、事業者同士の契約になるので、
フィーには消費税を乗せなければいけないなど、
若干高めのフィー設定になることが多い。
なにより個人事業主としてやっていくほどのコーチだから、
それなりに独立心や実力もあり、スクールの方針に沿ってもらうなど
コントロールが難しいケースも散見される。
フィットネスインストラクターやトレーナーにも業務委託契約が多かったが、
最近は減ってきているとも聞く。
受注先(会社)からの細かな指示命令を受けずに、
指定された業務を仕上げ、納品するという大前提に
スポーツインストラクターの労働実態が該当するのかが問題。
個人的にには、テニス界、テニスコーチ界が見逃されているのは
今の市場規模が大きくないから後回しになっているだけで、
そのうち監督官庁から「これって実態は雇用ですよね」とNoが出ると思っている。
組織に属さず、プライベートレッスンなどを並行して行っている
フリーのコーチもこのパターンが多いが、体を壊したらアウトなので、
それなりにリスキーだなと思う。
そして何より、インボイス制度も含め、ちゃんと確定申告して
税金納めなさいよと思う。
腕一本、レッスンで勝負したい人にはオススメ。
それなりの年齢になった時にどうするのかは・・・大きなお世話か。
■社員コーチ
社員としての雇用形態。
運営業務を行うことも多いし、コーチ研修や人材確保など、
レッスン以外の業務も多いのが特徴。
総合スポーツクラブなど大きな会社の場合、総務、人事、教育部門など
本部機能への異動もあるので、オンコートでの仕事が貫けるかは疑問。
また、職務だけでなく、場所的な異動もある。
社員である以上、基本的に拒否は出来ないので、どこへでも行くのは
サラリーマンの性として受け入れるしかない。
会社の規模や方針にもよるが、コーチ職から本部マネジメントや、
経営陣に行けるのはほんのひと握りだと思う。
そんなにポストは空いていないし、そもそもその能力があるかというと
「毎日、レッスンだけ一所懸命やってきました!」という人に
それが出来るわけもない。
コーチとして、コーチの先は?を考えたら、
早いうちから勉強なり、具体的な努力をしないと無理。
社員の地位にあぐらをかいていると、
どこでも使いようのない旬を過ぎたベテランコーチが出来上がるだけ。
そんなことは少し考えればわかることなのだが、
毎日、身体使って汗かいて、美味しいビールを呑んで
今日も1日頑張った〜!、と日々を過ごす人の何と多いことか。
高齢化し始めているテニススクール業界において、
この状況は大きな課題になりつつある。
とはいえ、この状況においては、社員になるハードルも
思い切り低くなっているのも事実。
就職も転職もチャレンジするなら今がチャンスだと思う。
他にも「起業する」という道もあるが、
それもいくつかのパターンがあるので、またの機会に。
最後に・・・
コーチが出来る人は引く手数多である。
それでも採用されない人もいれば、
「動くかも」だけでオファーが殺到する人もいる。
狭い業界なので、誰がどんなことをしてきたか、
どんなことが出来るか、どんな人柄なのかはけっこう知られているし、
力のある人材は現在の所属先が離さないだろう。
就職、転職市場もバカではない。
売り手市場の中でも、どんな自分であるかが問われるのは
どんな時代も変わらないことを肝に銘じて自分を磨くしかない。
とまあ、色々言っておいてなんだけど、
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