おひとり様とか、業界問題とか。

テニス

おひとり様。

ハッピーアワーっていいね。
安い!!

さて、日本中が人手不足だ。

日本全国の上半期の倒産件数は前年比32%増。
サービス業、飲食業界が多いという。

コロナ禍で営業が出来ず大打撃を受け、人員もカットせざるを得なかった。
コロナが明け、さあこれからと思っても従業員が確保できず営業がままならない。
ホテルの客室も飲食の受け入れ数も制限を余儀なくされる。
結果、巻き返しの局面で営業が出来ず、畳まざるを得ない会社が続出。
人手不足倒産である。

以前にも書いたが、テニススクール業界は空前の人手不足。
とはいえ、人手が足りないのは昔から。
構造的に慢性的な人手不足に陥るのは必然。

・余剰人員を抱えられないシフト制
・一定以上のテニス技術が必要
・マニュアルでは網羅し切れない対人スキルが必要
・1レッスン単位のフィーの支払い(空き時間などのロスが多い)


その昔はテニスコーチをする学生はたくさんいた。
テニススクールでのアルバイトは時給も高かったし、
何より好きなテニスの練習がたくさん出来た。

先輩の社員コーチも練習に付き合ってくれたし、
空き時間も営業終了後もコートを使わせてくれた。
何なら、先輩コーチが契約しているメーカーのラケットをもらえたりして、
自分のサークルに行って「オレ、ラケットもらっちゃった」と自慢もできた。

レッスンは無い日なのにスクールに来ている学生バイトがたくさんいた。
そして皆で空きコートで練習していた。
テニススクールは、テニスが好きな学生の溜まり場、サロンみたいな場所だった。

学生時代のアルバイトからそのまま社員へという人も多かった。
そういう方は山ほどいる。
ワタクシの年代よりも上の方が多いかなという印象。

まあ、何にしても、テニスコーチのアルバイトは楽しい仕事だった。
それが今やコーチのなり手がいなくてアップアップだ。

・インドアスクールが増え、効率的なビジネスモデルが確立して、
 遊んでいるコートがなくなった。(練習がしづらくなった)

・働き方改革で、社員コーチも就業が管理されて残業が出来ず、
 若手コーチのために夜中までコートを空けてあげられなくなった。

・社員コーチが高齢化してきて、若手アルバイトの練習に付き合えなくなった。

・アルバイトコーチの時給が上がっておらず、他業種と変わらなくなった。

・施設責任者の社員コーチの業務が増え、疲れているため、
 スタッフの福利厚生に時間や労力を割けていない。

・そもそも少子高齢化で学生層が少ない。

・コロナで大学のサークル活動が休止。瀕死状態にある。

理由はたくさんあるが、完全に時代は変わったということだ。
新卒採用、中途採用、学校関係への働きかけ等、
各社様々な施策を打っているが、今のところ決定打はない。

市場の動向は別の機会に譲るが、取り組みはもはや原点に戻っての
軌道修正をしなければ1ミリも良くならないと思う。

だって、ワタクシが大学生の頃にテニスコーチのアルバイトで
初めてクラスを持った時のレッスンフィーは2,000円だった。
そして卒業する頃は、1レッスンで4,000円もらっていた。
同時期掛け持ちしていた喫茶店の時給は470円だった。
そりゃ、コーチのアルバイトの方がおいしい。

もう40年も前の話しだが、今のコーチはいくらもらってるのか。
今、飲食業だって最低時給じゃ誰も来ないから、多くの企業は時給をあげている。
コーチのレッスンフィーはその流れに追いついているのだろうか。
テニス界はガラパゴス化していないだろうか。


我が家の21歳児。
通っていたクラブのコーチから、「ウチでバイトしろよ」
と何度も誘われたが、結局、今は何をしているか。

最寄り駅ナカでシュークリームを売っている。
最近、アルバイトを増やして、駅前のカプリチョーザで働いている。

「コーチは?」と聞いたら「効率が悪いので」だそうだ。

そりゃあ、コーチへのなり手も少ないわ。

もはやリクルーティング手法だけの問題ではない。
業界全体の問題だと思う。

そして今、足りないのは人手だけでなく、人材だ。
ホント、まずいよ、このままじゃ。
じゃあ、何から手をつけるかを考えている人はどれくらいいるのだろうか。
一向に先が見えない、テニス界である。

ためブロ

ためブロ

福島県生まれ。 普通の公務員の家に育ち、小〜中学校はバスケットボール部に所属。 強豪校のあまりに厳しい練習とレギュラー争いに嫌気がさし、個人スポーツをやることに。 高校で見つけたのがテニス。 当時まだ硬式テニス部は少なく、進学した高校でもまだ「テニス愛好会」だった。 テニスといえば女子、しかも愛好会という緩そうな雰囲気に惹かれ入部。 しかし、女子はおらず、東北なのでクレーコートが使えるまで、毎日ランニングと素振りの日々。 加えて、素振りをした途端に、先輩に「センスなし」から一刀両断。(笑) そんなテニスとの出会いが、今に至り、テニスで生きているという不思議な人生。 テニスを軸にたくさん勉強させてもらったことを駆使して、 テニス業界、スポーツビジネス界で生きている今現在。 座右の銘は「努力に勝る天才なし」 セミナー講師や研修も得意技。

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