ジューCもロングセラーだよね。
っていうか、こんなもんばっかり食べてて大丈夫か?長男。
さて、テニスコーチという人種の話。
少し前のエントリーに
「テニスコーチしかしてきてないからしょうがないか」
って言葉が大嫌いだと書いた。
それが業界内とか社内で出るってのは自己否定だからだ。
じゃあ、それを言ってる自分はなんなんだよって。
そこについてはもう書いたので、その途中のお話。
その昔、テニス界、テニスコーチには「しょうがない人たち」も多かった。
テニスブームに乗っかってたくさんのテニススクールは出来るわ、
地主さんは土地が余っていればテニスクラブをつくるわで、
テニスコーチは引く手数多。
当然ギャラも良いし、女の子にもモテる。
某大手テニススクールでは、女性会員がコーチの気をひくために
ノーブラでレッスンを受けていたなんて話も聞いたことがある。
ワタクシはその時代のテニスコーチではないが、
そんな残り香がまだあったといえばあった。
そしてしょうもないコーチの話もたくさん聞いた。
メーカーさんと二重契約をして、貸与品を売り払っていたとか、
平気でオーナーさんとの契約を破っていたとか。
時代なのか、職業なのかはわからないけど、
そんな人もいる業界だったと聞いた。
もちろん今はそんなことはない。
テニススクールがビジネス化、システム化され、業界規模が大きくなり、
様々な社会性との折り合いをつけなければいけなくなったし、
昔のようにフリーのコーチが容易に稼げる状況でもなくなった。
そして昔のテニスコーチのビジネス相手といえば、テニスメーカーさんくらい。
当然、メーカーさんはコーチを持ち上げるから、勘違いが起こる。
「使ってやっている」
「契約してやっている」
「言えば言っただけ、商品を持ってくる」
それでやってこれたのは、
相手が「テニスコーチだから(しょうがないか)」と
思って付き合ってくれていたからだ。
対等なビジネスパートナー、取引先だと思ってはおらず、
テニスコーチというある意味、特殊な世界の方々と捉えていて、
多少の非常識もあるだろうと許容していたから。
昔のワタクシはその「対等ではない許容」がとても嫌だった。
持ち上げはするが、どこかで下に見られている。
「どうせテニスコーチでしょ」と。
だから、対等なビジネスをしてもらえるようにならなければいけないと思った。
知識も常識も礼儀も同等にしなければ。
正しく名刺交換が出来なければ、相手はその時点で見限るはず。
テニスのこと以外に話題がない相手と商談するだろうか。
その昔、メーカーさんの展示会に来るコーチたちは皆テニスウェアだった。
中には短パンでサンダルばきの方もいた。
それが普通だった。なぜならテニスコーチだから。
ワタクシは徹底してスーツで行った。
バッグもいわゆるビジネスバッグで行った。
名刺入れも革製のものにしたし、ビジネス用の手帳を買った。
格好からまともにしないと、取引相手にならないと思ったから。
そして商談をさせてもらった。
昔は商品を見て、お茶を飲んで世間話をして、ハイおしまいという感じだった。
コーチは商品を発注しないから。
そこを商談させていただいた。
「テニスコーチなのに変わった人だな」と思われたかもしれないが、
これまでの関係性だと、この先ずっとビジネスができないと思った。
テニスコーチはコーチでもあるけれど、テニスビジネスのプロであるべきだと思った。
レッスンの無い日はスクールへスーツで出勤していた。
(そもそもレッスンの無い日があるコーチがめずらしいんだけど)
不自然な気もするが、そうしないとテニスコーチという職業に
なんの変革も起きないと思っていた。
根本の考え方は、当時お世話になっていた会社の方針だった。
「テニスコーチの集まりではなく、世間で認められる普通の会社にする」
ワタクシはその方向性に賛同し、変えたいと思った。
部下にビジネス上の最低限のマナーや常識を細かく指導し、
「コーチの常識は世間の非常識かもしれない」と説いた。
もう随分昔のことだ。
思えば、かなり肩に力が入っていた気もするが、
この「テニスコーチだし」を変えたいと思った。
「まずは形から」が正しいのかはわからないし、
コーチ仲間からは「なにやってんの?」と思われていたと思う。
でも、20代後半の若造が
「このままではテニスコーチは社会的地位を得られない」
と思うような現場だったことは確かだ。
そしてそれは今もあちこちの端っこに残っている。
でもワタクシの手の届く範囲ではそれは無くしたい。
テニスコーチはテニスのプロフェッショナルである。
それは職業としてのテニスコーチとしての成立を意味する。
職業ということは社会的に認められ、ビジネスとして成立する対象のこと。
その昔、テニスコーチを生業としたばかりの頃、帰省した時、友人のお母様に言われた。
「出遅れちゃったね」
叔父の家に挨拶に行って言われた。
「長男なんだから、そろそろちゃんとした仕事に就きなさい」
「テニスコーチなんて身体を壊したらどうするの?
そんなわけのわからない職業の男に娘はやれない」
当時のテニスコーチは結婚相手の家でまずこれを言われたはず。
そんなテニスコーチのあり方を変えたかった。
「何をそんなに粋がってビジネスマンづらしてるのか」と言われても、
「オレはこんなテニスコーチとは違う」と抵抗していた。
思い起こせば幼稚な手法だけど、「変えなければ」と思っていたのは事実。
テニス業界、テニスコーチも少しずつ変わってきた。
サラリーマンコーチが増えたのもあるのかな。
そういう意味では「プロ」がすっかり減った気もするけど。
まだまだこれについては言いたいことがあるけど、
長くなったので、また次回に。
コメント