歳三とか、筋とか。

読書

会津若松のホテルにて。
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新撰組・土方歳三だ。

土方歳三は尊敬する人物のひとり。
いや、筆頭かな。

幕末の善悪はイデオロギーだけでは語りつくせない。
勝てば官軍だから、誰が正しくて誰が間違っていたかは
一概には言えないし、歴史評価的な勝者は結果論だ。
薩長、会津、幕府、政府と単純に割れるものではない。

ワタクシの土方歳三像は「燃えよ剣」の土方だ。
組織においてすべきことを妥協せず貫く。
何を守るべきか、何を通すべきか。
保身や日和見ではなく、「義」と「誠」をただ貫く。

その土方が「ならぬものはなりませぬ」の会津に入ったのも
歴史の必然だったのかもしれない。

思いがけず、ホテルのロビーで会った土方を前に暫し固まったワタクシであった。

 

さて、子供に対して叱ったり、諭したりする。
いちおう親だから、まあ当たり前だ。

話の根本はなんだろうと考えてみる。
やはりそれは「筋」なんだろうと思う。

正しくないことはダメだよ。
筋が通らないことをしてはいけない。
世の親だれもが、筋から外れたことをした時に
叱ったり、諭したりするのだろう。

 

しかし、成長し世の中に出ると、筋が通らないことや
理不尽なことはたくさんある。

今は知らないが、ワタクシの学生時代の部活だって
理不尽のかたまりみたいな場所だった。

どうして年がひとつやふたつ上ってだけで、
圧倒的な立場の違いで理不尽なしごきが許されるのだろう。
6kmのランニングコースを「100周走っておけ!」とか平気で言ってたもんね。

連帯責任てのもよく分からない。

もちろん管理責任はあるのだろうけど、部員の一人が、
例えば喫煙で補導されて部そのものが出場停止ってのもおかしな話。

部活動中にみんなでとか、部室がそういう場所になっていたのなら
部全体の責任だと思うけど、外で勝手にやったことの責任を
全員がというのはどうなのだろう。

責任てどこまで広げれば良いの?って気もする。

 

社会に出てからだって、理不尽や筋の通らないことはたくさんある。

学生時代の部活動のように純粋な(?)理不尽とは違って、
保身や思惑などが絡んでくることもあるから始末に悪いというか、
なんでそんなことに・・ということもあると思う。

とにかく、学校であれ、社会であれ、正論や王道ばかりじゃない。
筋が通っていないことを我慢したり、
納得いかないままに受け入れなければいけないことも少なくない。

 

では何故それでも、子供に筋を説くのか。

やっぱり筋を通す人になって欲しいから・・・だと思う。

筋を知らずに育てば筋を通さない大人になる。
それは他者を傷つけ、物事の本質を捻じ曲げる。

それで自分が損をするならまだしも、
仮に圧倒的な立場の違い(強さ)を持っていて
曲がった筋を通してしまうことは仁義に反する。

政府与党の「ご飯論法」はまさにそれ。
対勢力との力関係が拮抗していたら、
とてもじゃないが展開できない理屈だ。
圧倒的優位だからこそのゴリ押しでしかない。

 

ことほど左様に世の中は様々な「筋」でできている。
それでもその曲がった筋を通さなければいけなかったり、
曲がった筋を受け入れなければいけないこともあるだろう。

しかし、それが正しいのか、正しくないのかの軸は持っていて欲しい。
先生が言ったからすべて正しい、偉い人が言うから正しい。
何の疑問を持たず、自らのフィルターを通さず、
ただただ盲目的に従う人にはなって欲しくない。

普通に考えて、おかしいものはおかしいのだ。
筋が通らないことは通らないのだ。
それが分かっていることが大事。

分かっているからこその苦しみもあると思うが、
それとの向き合い方も含めて、筋が分かっている人であってほしい。

「ならぬものはなりませぬ」であって欲しいと思う。

 

実はこの「ならぬものはなりませぬ」の会津藩の教え、
大人になるまで知らなかった。

福島県といっても、地域が違えば文化も気候も違う。
ワタクシ、会津っ子じゃないのよね。

でもいい教えだと思う。
「筋」を知ろう。

ためブロ

ためブロ

福島県生まれ。 普通の公務員の家に育ち、小〜中学校はバスケットボール部に所属。 強豪校のあまりに厳しい練習とレギュラー争いに嫌気がさし、個人スポーツをやることに。 高校で見つけたのがテニス。 当時まだ硬式テニス部は少なく、進学した高校でもまだ「テニス愛好会」だった。 テニスといえば女子、しかも愛好会という緩そうな雰囲気に惹かれ入部。 しかし、女子はおらず、東北なのでクレーコートが使えるまで、毎日ランニングと素振りの日々。 加えて、素振りをした途端に、先輩に「センスなし」から一刀両断。(笑) そんなテニスとの出会いが、今に至り、テニスで生きているという不思議な人生。 テニスを軸にたくさん勉強させてもらったことを駆使して、 テニス業界、スポーツビジネス界で生きている今現在。 座右の銘は「努力に勝る天才なし」 セミナー講師や研修も得意技。

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