距離を取るのではなく、距離を設計する。

ビジネス

千葉県集中豪雨の翌日。

行く先々に水没車両が放置されていた。

その数、2500台とも。
当日、電車でなく車で打ち合わせに行っていたら、
ランクルくんもこうなっていたのかも。

釣り仲間の家は床下浸水だったそうだ。
「要らない植木鉢がなくなってよかったけど」とか言ってたけど。

被災された多くの皆様にお見舞い申し上げます。

さて、昔のお話し。

ワタクシ、会社のメンバーと飲みに行くことはほとんどなかった。

通勤が皆、車ってこともあったし、時間も合わないし、そもそもチャンスがあまりなかった。

が、あえてそうしていない部分もあった。
なぜか。
全員と等しくそれをすることは難しいと思ったから。

会う機会が多い社員、自分からグイグイ誘ってくる社員、地理的にチャンスが多い社員。
機会は随分と違う。
流れのままに動いていたら、結果、かなりの偏りになると思った。

もちろん、自分でコントロールをすれば良いとも思ったが、
就業状況や業務の関係で、なかなかすべてを公平に網羅するのは難しかった。

根本の理由はもう一つ。

当時、ワタクシは人員配置や社員の給与査定の提案をする立場にあった。
もちろん最終決定はトップだが、基礎案の策定を求められていた。
そこまで大きな会社ではなかったから、
運営管理から人事までをカバーしていたイメージである。

社員たちがそれをどう思っていたのかはわからないが、
自分としては、とにかくそれらに公平に対応したいと考えていた。

誰かが異動したり昇進した時に、
「仲いいし」「よく一緒に飲んでるし」「気に入られているし」
周囲がそんな思いを持たないようにしようと強く思っていた
実際に周囲がそう思うかどうかは別としてもだ。

だからとにかくバランスを意識した。
結果、皆と等距離を持つことがその解だった。

当然、食事にいくことも飲みに行くことも皆無ではない。
言われれば付き合いもしたし、
ちょっと話をしておいたほうが良いなと思ったメンバーは食事に誘ったりもした。
しかし、「ことあれば酒を酌み交わし」的な感じではなかった。

ずいぶんと時を経て、実はそういうことも大事だよなと思うようになった。
一方で、やはりバランスは大事だと思ってもいる。

いつも特定のメンバーだけで飲みに行く、
さらにはそこで起こったことや交わした会話が何らかの影響を及ぼすのは、
組織としてのあるべき姿にマイナスに働かないか。

どうしてもそこが気になる。

よく言うセリフがある。
「意見を言うなら素面で。飲まないと言えないようなことは必要のないこと」

逆に言うと、
「飲んで愚痴っても良い。愚痴は聞くが、意見としては扱わない」
ということ。

では、今はどう考えているのか。

最近、この考えは少しだけ変わった。

正確に言うと、「距離を取る」のではなく、「距離の取り方を設計する」ようになった。

組織にとって大切なのは、飲みに行くことでも、行かないことでもない。

**「誰もが納得できるルールになっているか」**である。

飲み会が悪いわけではない。
むしろ、本音が聞けたり、人間関係が深まったりする場面もある。

ただ、その場で決まったことが翌日の会議で既成事実になっていたり、
一部のメンバーだけが情報を先に知っていたり、
「結局、あの人たちで決まるんだよね」という空気が生まれた瞬間に、
その飲み会はコミュニケーションではなく、組織運営になってしまう。
これは避けたい。

だから私は、人間関係は自由に、意思決定は公平に。
この線引きをとても大切にしている。

もちろん、100点の組織運営なんて存在しない。

それでも、リーダーは「公平だったか」ではなく、
「公平に見えていたか」まで考えなければならない。

組織は事実だけでは動かない。
メンバーがどう受け止めたかで動いてしまうからだ。

最近はご相談をいただく機会も増えた。

売上や集客の話ももちろんするが、
実際には、人の問題が根っこにあるケースはとても多い。

「なんとなく不公平。」
「評価基準が見えない。」
「一部の人だけが得をしているように見える。」

こうした小さな違和感は、時間とともに組織の空気を少しずつ蝕んでいく。

逆に言えば、それらを一つずつ整えていくことで、
組織は驚くほど前向きに変わる。

制度を変える前に、文化を整える。
ルールを増やす前に、信頼を増やす。

ワタクシが目指しているのは、そんな組織づくりだ。
強い会社をつくる方法は一つではない。
でも、長く愛される会社には共通点がある。

それは、「誰かに依存しない仕組み」と「誰もが安心して挑戦できる空気」があること。

組織づくりに魔法はない。
だからこそ、小さな積み重ねを大切にする会社が、最後には強くなる。

ワタクシはそう信じている。

ためブロ

福島県生まれ。 普通の公務員の家に育ち、小〜中学校はバスケットボール部に所属。 強豪校のあまりに厳しい練習とレギュラー争いに嫌気がさし、個人スポーツをやることに。 高校で見つけたのがテニス。 当時まだ硬式テニス部は少なく、進学した高校でもまだ「テニス愛好会」だった。 テニスといえば女子、しかも愛好会という緩そうな雰囲気に惹かれ入部。 しかし、女子はおらず、東北なのでクレーコートが使えるまで、毎日ランニングと素振りの日々。 加えて、素振りをした途端に、先輩に「センスなし」から一刀両断。(笑) そんなテニスとの出会いが、今に至り、テニスで生きているという不思議な人生。 テニスを軸にたくさん勉強させてもらったことを駆使して、 テニス業界、スポーツビジネス界で生きている今現在。 座右の銘は「努力に勝る天才なし」 セミナー講師や研修も得意技。

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