「電車でGO!」 ではない。
「投げたらGO!」だ。
この台詞がその日の試合の鍵を握った。
日曜日、近所の草野球チームのリーグ戦が開幕した。
ウチのチームリーダーが、
「開幕先発はお前だって、ずっと前から決めてた。頼むぞ!」
って言うわけ。
そりゃあ、そこまで言われたら頑張るしかないでしょってことで、
前夜からグローブの手入れをして、バットを磨いて、
スパイクを磨いてユニフォームを揃えて準備した。
(遠足か?!)
当日、強風&今にも振り出しそうな空模様ながら、
気合を入れて、いつもの集合場所に行った。
誰もいない・・・・なんで?
携帯でスケジュールを確認したら、
試合開始は13時じゃなくて15時だった。
いきなりの空回り・・・大丈夫か?オレ。
草野球だから先発っていっても2回が責任回。
それでも開幕戦、しかも先発ピッチャーは緊張するもの。
レフトからホームに向かっての強風が、
外角を狙ったスライダーをことごとくボールにする。
出だしから制球に苦しむも、1回は無得点で切り抜けた。
2回、フォアボールと長打で2点を失った。
変な取られ方じゃなく、打たれた結果なので仕方ない。
まあ、草野球だから2点くらいはすぐにひっくり返せるはずだし。
ところが、この日の我がチームの打線は湿りまくり。
(いつも湿ってるって話も)
ゼロ行進の展開に、2回の2点が重くのしかかる。
しかも5回に3番手ピッチャーの乱調でさらに2点を失う。
ヤバイ展開だ。
そして6回の攻撃。
ようやく反撃チャンスがやってきた。
デッドボールやら何やらで、2アウト2・3塁。
バッター、粘って2-3のフルカウント。
その時、バッターが叫んだ。
「2アウト、フルカウントや。投げたらGOやで!」
この場面、本当のところはランナーは、
「(ピッチャーが)投げたらGO!」じゃなくて、
「(バッターが)打ったらGO!」である。
ベンチのメンバーたちは冗談だと思って、
心の中でツッコミを入れてたらしい。
ところが、登板を終えて3塁コーチャーにいたワタクシ。
そのままランナーに「投げたらGOね!」と伝えてしまった。
そしてピッチャーが投げたボールは、
外角に外れてフォアボール!
本来なら2アウト満塁になる場面だ。
しかし、「投げたらGO!」を忠実に守った3塁ランナー、
本当にGO!してた。
そこに、キャッチャーから3塁に送球。
戻り切れずにタッチアウトでチェンジ。
チャンスがつぶれてしまったのだ。
わけの分からないワタクシ。
どうやら、フォアボールっていうのはインプレーらしい。
つまり、プレー中だから、ランナーは戻らないといけないんだと。
当然、「投げたらGO!」はNGだ。
いまさらながら告白すると、ワタクシ、野球のルールをよく知らない。
もともと野球に興味も無く、やるのも観るのもしなかった。
だから、いったいいつがインプレーで、いつがアウトオブプレーなのかとか、
フォースアウトとかタッチアウトとかもよく知らないのだ。
そんなヤツが3塁コーチャーに立つなって話もあるが、
とにかく完全なるオトボケ連鎖でチャンスがつぶれたのだ。
そして最終回、さらにドラマが。
ここまでノーヒットだったワタクシ。
フルカウントから甘いストレートを完璧にはじき返した。
逆風の中、見事なセンターオーバーのヒットである。
1アウト1塁。
最終回にまた大逆転の糸口を掴んだ。
ガッツポーズするワタクシ、盛り上がるベンチ。
ワタクシもアドレナリン出まくり。
その時、ワタクシの頭の中をグルグル回っていたのが、
「投げたらGOはダメだ。打ったらGOだ!」だった。
実はその時、あまりにテンションが上がりすぎて、
アウトカウントを2アウトだと間違えていた。
実は1アウトだから、当然「打ったらGO!」しちゃダメだ。
次のバッターがライトにフライを上げた。
我を見失っているワタクシ、思い切り「打ったからGO!」した。
ライトからファーストにボールが返ってきて、ワタクシはアウト。
なんと試合終了である。
事態が飲み込めないワタクシ。
メンバーから浴びせられる罵声。(苦笑)
あ、アウトカウント間違えてた・・・・
なんとも間抜けな負け方である。
なんか、ワタクシのせいで負けたみたいな空気が・・・
次の日、メンバーから「反省会しよう」と、飲みのお誘い。
遅れて店に入ったワタクシ、開口一番、
「オレ、別に反省すること無いけど」。
「なわけねえだろ!」ってツッコミが入ったのは言うまでも無い。
教訓
スポーツは、まずルールを覚えよう。
そして、カウントは把握しておこう。
申し訳ない・・・
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