先週のこと、朝から霙混じりの雨。
積もるような雪にはならなかったが、メッチャ寒い。
そんな中、メーカーさんの依頼でボールテストをした。
テニスボールは、メーカーやブランドによってかなりの違いがある。
重さ、バウンド、スピード、それぞれに特徴がある。
一般プレーヤーでも1セットでボールを交換するような、
消耗品感覚の強い海外製ボールは、比較的軽くて消耗が早い。
一方、日本の老舗ブランドのボールは、重量感があり、
球足が遅く、耐久性もある。
その差は顕著であり、違うブランドのボール混合では
まったく試合にならない程だ。
まあ、そういう人はいないと思うが。
ワタクシにもボールの好き嫌いはある。
基本的には軽くて速いボールが好き。
大きくて重く、展開の遅いボールは苦手である。
きっと、こらえ性の無い性格だからだと思うけど。
今回、試打したのは4種類。
評価対象のボールは1種類。
他2種類は、ベンチマークにするために用意した、
日本ではシェアの高いメーカーのボールだ。
テストは1機種あたり5分間のラリーをし、
何度かローテーションさせて行われた。
1機種終わる度に、フェルトの減り、毛羽立ち、バウンド、
見た目、コントロール性などを比較チェックした。
これが今回テストしたボール。
差し障りがあるのでロゴは伏せてあるが、横罫が同一ブランドだ。
これは、2回り(各10分)試打の後のもの。
この写真だけでも、それぞれの違いが分かってもらえると思う。
毛羽立ちはしないが、フェストが擦り減り、小さくなるもの。
同じ時間、同じように打っても、これだけの差が出る。
このボールは、メーカーさんからのテストサンプルではなく、
ワタクシが個人的に持ち込んだもの。
(ちょうどテストしなければいけなかったので)
5分で弾まなくなり、ロゴが消えた。(苦笑)
う~ん、これでは使えないぞ。
普段の練習で、ボールを混合し比較テストをすることは、まずない。
しかし、今回の比較テストでは、「実はこんなに違うものなのか」
ということを再認識することが出来た。
重い・軽い・速い・遅い・ヘタる・ヘタらないなどを
いかに感覚的に捉えているかも分かった。
(評価自体は合っていたが)
やはり、国内ブランドと海外ブランドでは、
味付けがまったく違っていた。
個人的には、海外ブランドのほうが好みだが、
減りが早いので、1セットを2球で回すのは無理だろう。
1セット4球くらいで交換しながらでちょうど良いくらいだろうか。
となると、海外では1球1ドルくらいなのも理解できる。
ちなみに、シーム(縫い目)の形状もブランドによって違う。
写真でお分かりだろうか?
左のシームは真っ直ぐに降りてきているが、
右のボールのシームは曲線がキツイ。
張り合わせるパーツの型が違うのだそうだ。
ついでに色も違う。
比べてみないと、意外と分からないものだ。
ちなみに、シームの幅は特性に影響する。(だそうだ)
シームが太いということは、むき出しのゴム部が多いということ。
インパクトでの潰れ具合や、打球感が変わるのだとか。
なるほど、ボールの世界は奥が深い。
試打と言いながら、実は自分が勉強させてもらったという
ラッキーなボールテストだったのだ。
オマケ
今回のテストに協力してくれた、富田コーチ・大倉コーチ・野田コーチ。
やはり若いコーチ(富田を除く)がガンガン打つと、
ヘタリが分かりやすくて良い。
大倉コーチが、一番評価の低かったボールを
「ボク、これがいちばん好きです!」と言っていたのは秘密だけど。
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