日本プロテニス協会の先輩が突然亡くなられた。
心筋梗塞だったらしい。
ワタクシが駆け出しの頃から、
お会いするとよく声を掛けてくださった
明るく気さくで親切な方だった。
ここ数年はお会いしていなかったが、
こんな形でお別れになるとは信じられない。
なんとも言葉が無い・・・ご冥福をお祈りします。
さて、インプレである。
Wilson [K]ZEN TEAM FX 103
■フェイス:103平方インチ
■フレーム厚:25,5mm(フラット)
■平均ウェイト:270g
■ラケット長:27,25インチ
■バランス:335mm
■ストリングパターン:16x19
■価格: 34,650円
ウイルソンはテクノロジーだけでなく、マーケティング的にも
非常に商売の上手いメーカーだと思う。
次々と新しいシリーズを打ち出しているように見えるが、
ユーザーが戸惑わないようにというか、次の新しい機種に
自然に移行できるようなラインナップをそろえてくる。
新シリーズが発表になると、お客様から聞かれる。
「で、私はこのラケットから次はどれを使えばいいの?」
上手くはまる機種があれば良いのだが、
ガラリとラインナップが変わってしまって、
今使っているものから、違和感無く移行できるものが
無かったりするなんてことも少なくない。
そういう意味では、ウイルソンはシリーズの進化に
ユーザーが自然に乗っていけるようになっている。
nCodeから[K]Factorへもそうだったし、今回のFXでも
違和感無く進化を感じられるようにラインナップされている。
ということで、[K]ZEN TEAM FX103だ。
以前の[K]ZEN TEAMは、その使いやすさから
かなりのヒット商品になった。
さて、FXになっていったいどんな風に変わったのだろう。
デザイン的にも奇異さが少ない処理がされたFXシステム。
フレーム厚もフラットで変なクセは無さそうだ。
フェイスもウイルソンらしいオーソドクスな形状。
103平方インチは多くのユーザーにマッチするだろう。
さてその打ち心地はまさにウイルソン。
非常に楽に、でも飛びすぎずにボールを打てる。
FXになってフレーム強度が増したはずなのだが、
このFXシステムは打球感をむしろマイルドにしてくれる。
ガツンとボールの重みがそのままかかるわけではなく、
逆に飛び系のラケットにありがちなピンポン球を
打っているような感触の無さでもない。
あくまでボールの感触はそのままに、
しかし腕に伝わる衝撃は不快なハードさは無い。
これぞまさにウイルソンの得意とする打球感だと思う。
軽く飛びはするが、コン!と軽くくわえる感じなので、
スピンなどのコントロール感もある。
思ったとおりのスピン量の調節も可能だ。
ただし、モデルの性格上、力のある男性がフルショットで
スピンをかけたときに思い通りにいくのかは、ちょっと分からない。
まあ、女性から幅広い層において、比較的簡単に色々なショットが
打てるってことだと思う。
300gを切ったウエイトは扱いやすさ抜群。
もちろん、ボール負けするような軽さではない。
ウエイトのわりにボール負けしないのも
ウイルソンの上手なところだと思う。
このラケット、悪く言えば特徴が無いという見方もあるが、
良く言えば、非常にバランスの取れた扱いやすいモデルだ。
正直、ツアーモデル大好きなパワーヒッターには向かないが、
大きなフェイスのラケットを卒業しつつあるプレーヤーには
最適なモデルではないかと思う。
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