仕事帰りに、たまにひとりで飲むことがある。
決して家に帰りたくないわけじゃない。
酒が飲みたくてガマンできないわけでもない。
そのまま帰宅って気分じゃなくて、
なんとなくアクセントが欲しい時もあるのだ。
ビール1杯+ワイン1杯くらい。
あれやこれやと、世界平和について考えたりする。
というのはウソで、本当はくだらないこと(90%)から、
難しいこと(10%)まで、考え事をしながら飲む。
先週のとある日の夜、ひとりで一杯飲んでから帰ろうと思っていた。
オフィスにはボスとワタクシの二人。
突然、ボスが言った。
「40分発の電車で帰るんだけど、それまで10分だけ飲まない?」
10分って・・・・
まあ、どうせ飲むつもりだったから、お付き合いさせていただくことに。
ボスとワタクシ、二人で飲みに行くことはほとんどない。
一年に一度あるか無いかだ。
それぞれに、それぞれの付き合いがあるし、
当然だけど、一緒に行動しているわけでは無いからだ。
だから10分でも貴重な機会なのだ。
ちなみにワタクシ、以前は会社の仲間たちと
飲みに行くことは、ほとんど無かった。
話をするなら、シラフで話したほうが良いと思っていたし、
全員と公平に飲みに行くのは無理だと思っていたからだ。
あと、ワタクシの酒癖は、飲むと眠くなるか、
家に帰りたくなるかのどちらかなので、
飲み会が成立しないのだ。
なにより、会社関係で飲みに行くということにはトラウマがある。
最初に勤めた会社の上司が、面倒見の良いモーレツタイプの人だった。
どこに行くにも同行させられ、昼はラーメン屋で、まずビール、
夜は夜で、飲みに連れて行かれ終電まで。
話すことと言えば、仕事の話。
まあ、仕事以外に話すことも無いけど。
上司にしてみれば、精一杯面倒を見てくれたのだろうが、
こっちとしては、それが辛くて辛くてたまらなかった。
毎日夕方になると、どうやって誘いを断ろうかと
胃が痛くなるほどだった。
そんなトラウマがあるので、部下を誘うことはあまり無い。
誘われたけど断りづらいとか、嫌々付き合うとか、
そういう思いをさせたくないのだ。
それでも、最近はちょくちょく飲みにいくようになった。
これは、スタッフからの「飲みにいきたい」コールによるもの。
はたして、ワタクシと飲んでいて楽しいかどうかは分からないが。
さて、そんなわけで、ボスと一緒に
近所に新しく出来たスペイン風のバーへ。
店に着いた時点で、すでに7分経過。
あと3分?
さすがに3分だけ飲むってことは無かった。
電車を数本遅らせて、40分くらい飲んだ。
まあ、長い時間飲むと、二人とも寝てしまうので、
これくらいがちょうど良いのかもしれない。
短い時間で、色々な話をした。
中身の詰まった40分。
こういうのも良いな。
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