昔の話 その6

すっかり放置でした、「昔の話シリーズ」。(シリーズなのか?)

おともコーチの記事を読んで思い出しました。

ということで、バックナンバー。

その1
その2
その3
その4
その5

では、おともくんに習って、ワタクシの初試合。

バスケットボールに見切りをつけて、甘い気持ちではじめたテニス。
ランニングと土木作業に明け暮れ、桜が散る頃になっても
まともにラリーすら出来ない始末。

まあ、素振りからしてかなりの下手っぷりだったので、
先輩たちもあまり期待していなかった様子。

ところが、人には何かしら取り得があるもので、
一年生の中でもヘタクソ数名はノリの良さと
付き合いの良さで、先輩たちに可愛がられていた。

 「おい!一年、パン買ってきて」
 「うぃ~っす!買ってきま~す!自分の分も買ってきていいっすか?」

 「おい!一年、テニスショップ行くぞ!」
 「うぃ~っす!、ボクも行きま~す!」

 「おい!一年、○○女子高のテニス部に遊びに行くぞ!」
 「うぃ~っす!もちろん、ついていきま~す!」

 「おい、一年、○○女子高の~さんの電話番号聞いて来い」
 「うぃ~っす!まかせてくださ~い!」

・・・ほとんどテニスに関係無いところで可愛がってもらってました。

別に媚を売るつもりも無かったけど、先輩たちについていくと
知らなかった遊びや、行ったことの無い女子高に
連れて行ってもらえるので楽しかっただけ。

「なんで他の一年の連中はついて来ないんだろう?楽しいのに」
って、不思議に思ってたくらい。
多分、先輩たちが怖かったんでしょう。
懐に入っちゃえば、そうでもないのに。

そんなこんなで高校テニス部生活を楽しんでいたら、
インターハイ予選の日が近づいてきた。

自分はテニス経験者じゃなかったし、
一年生でも上手なヤツはたくさんいたので、
予選とはいえ、出場できるなんて夢にも思わずにいた。

ところがある日、先輩から、
「おお、お前も出してやるぞ。期待はしてないけど盛り上げろよ!」

盛り上げるってどういうこと?
テニス人生初のデビュー戦での指令が「勝て」じゃなくて、
「盛り上げろ」とは・・・トホホ。

完全に「賑やかし」だな、オレ。

そうは言っても、試合には他校の女子も来るし、
やっぱり勝ちたいのが正直な気持ち。

そしてドロー発表。
それを見た先輩が、「おっ、お前勝てるぞ。相手も一年坊だ」。
それを聞いてますますプレッシャーのかかるワタクシ。
案外、ノミの心臓だった。
というか、プレッシャーとの付き合い方が、まだ分からなかった。

さて、記念すべきデビュー戦当日、極限の緊張状態の中、
意味も無く体操してみたり、走ってみたり、
スコアの数え方の確認をしたり。
(そんなレベルでした)

いよいよコールされてコートへ。

もう自分が歩いてるんだか、走ってるのかすら分からない。
かろうじて相手が弱っちそうだということだけは見えた。
ところが相手から飛んでくるボールがよく見えない。
というか、相手がコートの中に入るボールを
一球打ってくるだけで、なぜかビビるワタクシ。

試合が始まっても、サービスが入らない。
先輩からは、「入らなかったら、セカンドサーブは下から打て」
と言われていたのを思い出して、アンダーサーブを打ってみた。
ところが、手が震えてそれすら入らない。

おまけに途中で鼻血出てくるし・・・

結局、見た目かなりヘタレな相手に2-6で負け。

試合が終わってからも、しばらく膝がガクガクしてました。
他校の女子にもカッコいいところ見せられなかったし、
先輩からも、「お前、アイツに負けは無いだろう。負け犬め!」
と馬鹿にされるし。
しばらくの間は立ち直れませんでした。

とまあ、散々だったワタクシのデビュー戦。
今も実家に帰って、そのコートを見に行くと
そのときの試合のことが思い出されます。

教訓:先輩ウケが良くても試合には勝てない。(当たり前!)

 

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