フレンチオープン7日目、ジョコビッチが4時間の熱戦を制して、
地元フランスのパティエンスに勝利しました。
明らかに格下のパティエンスでしたが、
地元の利なのか、すべてのショットがバカ当たり。
完全にゾーンに入った状態だったようです。
当然、観客はほぼ全員、地元パティエンスの応援に。
ジョコビッチはかなりやりにくかったと思います。
そんな中、試合に集中し見事勝利をもぎ取るあたり、
さすが上り調子のトッププロです。
さて、テニスの応援というと、日本では非常に紳士的で
おとなしいイメージがあります。
実際、JAPANオープンや東レPPOなどでも
ポイント間は水を打ったように静か。
そして、ポイントが決まった後も、拍手がほとんど。
ヘタな掛け声を掛けると、浮きまくったりします。
対して、グランドスラムトーナメントの応援は非常にアクティブ。
ここはサッカースタジアムか?と思うほどの熱狂ぶり。
ナショナルフラッグのフェイスペイントは普通だし、
観客席で国旗はブンブン振り回すし、
チェンジコートのたびに、ウェイブが回り放題。
チェンジコート後に選手がプレーに入ろうとしても
皆、ビールを持ってウロウロしているし、
あちこちで盛り上がっている。
ほとんどお祭り状態。
これを良しとするかどうかは、意見の分かれるところだと思いますが、
実際その場にいて、どちらがエキサイティングで楽しいかといえば
それは言うまでもありません。
日本の大会(特に某室内大会)などは、クラシックコンサートよろしく、
咳払いでも叱られそうな雰囲気があって、もうちょっと楽しく観戦
出来ないかなぁなどと思ったりするのです。
野次や放送禁止用語はマズイとしても、雰囲気を楽しみながら
素晴らしいプレーには思い切り盛り上がれば良いと思うのですが。
どうでしょう?
あるコラムに、
「日本人はあらゆることを「道」にし、極め、神格化したがる」
と、書いてありました。
「仕事道」「野球道」「テニス道」
・・・「観戦道」そんなところもあるのでしょうか。
実際、ワタクシがテニスをはじめたとき、
最初に教わったのがマナーあれこれでした。
これは非常に大事なことで、ルールとマナーに裏打ちされた
素晴らしいスポーツであると思います。
実はその時に、プレーのマナーだけでなく、
いくつかの「道」も教わったような気がしています。
明確に教わったかというと、はるか昔のことなので
定かではないのですが。
「球拾い道」
身を低くしてスタンバイし、全力でボールを拾いに行く。
ボールを渡すときは、「ボール行きま~す!」と言いながら、
ワンバウンドで相手の胸元に寸分たがわず投げること、みたいな。
「観戦道」
プレー中は声を出してはいけない。
動いてもいけない。
息をしてもいけない。(これはウソ)
まあ、半分は冗談ですが、昔の部活動では実際、
これに近い世界があったように記憶しています。
ワタクシ自身、どちらかというとこれらには肯定派ではないのですが、
グランドスラムを観戦して、あまりの違いにぶっ飛んだおぼえがあります。
スポーツとしての盛り上がりを考えるに、
やはりプレーしても観ても楽しいほうが良い。
程度の問題はありますが、口に手をあてて
「シ~ッ!」みたいな雰囲気が支配し過ぎないほうが
良いのかもしれません。
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