Fender・テレキャスター
これを持てばあなたもキースリチャーズになれるかも。
なれないよね。
そういえば初めてのエレキギターはテレキャスだったっけ。
もう1回買うか!(オイオイ)
さて、その昔、彼は困っていた。(そうだ)
いや、正確には悩んでいた・・・だろうか。
とにかく今置かれた現状とこの先の身の振り方をどうしたものかと
考えていたが、考えが何周しても答えにたどり着かなかった。
これまで仕事中心の生活をして、多くの時間を仕事に割いてきた。
そのせいなのかは分からないが、業務においても重要なことを任され、
ポジション的にも中心的な位置に置かれていた。
処遇的にもトップからは信頼を得ていたのであろうことは想像に難くない。
それこそ、この仕事、このチーム、このブランドこそが
自分そのものだと思ったし、それを育てること、メジャーにすること、
そこに疑いも持たず、とにかく走ってきた。
がしかし、ある頃から風向きが変わってきた。
業績の停滞とともに会社トップの方針も変わり、風当たりが強くなってきた。
何とか方針を理解し、それに沿おうと思ってはきたが、
さすがにそれはどうだろうと思うようなことや、
このままではスタッフがいなくなってしまうのではという危機感もあり、
少しずつ意見が食い違うことも出てきた。
そしてついにはこれまでフォローだった風が完全なアゲインストに変わった。
何をやっても、「お前がそれをするから数字が悪いのだ」と否定される。
何を言っても否定される。
いやそれ以前に言わせてもらえないし、口も聞いてもらえない。
夜中に突然、携帯におかしな指示が飛んでくる。
他のスタッフへの指示とは真逆の「なぜ私だけ?」の指示だそうだ。
そしてついには異動命令。
形としては一時的なテコ入れのためということだったが、
明らかに何らかの意図を持っての異動だった。
のちに周辺の人たちから聞いた。
「やめてもいいと思った」と言っていたとか。
さらに風当たりは強くなる。
しかし辞めることはまかりならんという不思議。
そして過度な干渉。
何時何分、どこに行って誰と何を話したか、メールはすべてBccで送れなど、
動きのすべてを報告させられたそうだ。
おそらく今なら、いや昔でもパワハラ認定だろうが、
自分なりにやってきたこと、そして責任もあると思い、何とか耐えてきた。
仲間もいるし、何とかまた良い組織に戻したいと思ってだ。
しかし精神的にはかなり追い詰められていた。
毎日遅く帰り、缶ビールを飲んで、明日は何をすれば良いかを考えながら、
そのままソファーで寝てしまう。
うつ病の一歩手前だったのかもしれない。
家族からは毎朝、「今日辞めてきて」と言われたそう。
「ここまでやったんだからもうじゅうぶん。何も恥じることない」と。
結果的に彼は会社を辞めることにしたのだが、その時思ったこと。
ポジションや肩書きなんてのは結局、他者由来に過ぎない。
一所懸命やってきて取り立てられても、結局は上の腹ひとつで簡単にひっくり返る。
ポジションなんて何の保証もない脆弱な要素でしかない。
しかしやってきた実績は消えない。
だから力をつけて実績を積み上げるしかないのだと。
気に入られるかどうか、取り立ててもらえるかどうかなんてのは良い仕事をしてきての結果。
「愛い奴じゃ」なんて思ってもらっても、そんなものは何の足しにもならない。
もちろん嫌われるよりも嫌われない方が良いに決まっているけど、
誰かにくっついて何らかを得るなんて人生はリスキーすぎる。
彼はトップに取り入ってそのポジションに就いたとは思っていないが、
ポジションなりの責任や任されていたことの大きさの裏返しは
病気の一歩手前まで追い込まれるようなものだった。
だったら肩書きなんかなくて良い。
多くの部下を従えるなんてこともいらない。
良い仕事さえできれば良い。
それを見てくれている人が、また次の仕事をつないでくれるはず。
実際、彼は会社を辞めても次の場所に困ることはなかった。
これまでを見てくれていた方々からいくつものオファーをいただいた。
ああ、頑張ってきたのはこういうことなんだなと思った。
だからまたこの先の仕事も頑張ろうと。
大事なことはポジションや役職名ではない。
ポジションは仕事の結果に過ぎないし、結果を出してもそうなるかは分からない。
結局のところ、人事は「ひとごと」だから自分ではどうにもならない。
あの時の状況が彼のベースを決定づけたそうだ。
誰かに潰されたり、幕を降ろされる人生なんてまっぴら御免だ。
いい仕事できればそれでいい。
逆に言えば、そこでやることがなくなったら、しがみつかず去るべき覚悟も必要。
そしてその組織の中だけでか通用しない力って、何の足しにもならないってこと。
そんな彼もまだ何とか仕事ができているらしい。
そしてまだやりたいこともあるとか。
頑張れよ。
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