渋谷にて。
豆乳フェス?
そういえば人生で豆乳飲んだのって1回くらいかな。
さて、折り合いがつかないって話。
その昔、フリーのコーチとの交渉もワタクシの仕事だった。
彼らの計算式はこうだ。
1名が払う受講料 x 自分のクラスの人数=自分の稼ぎ
この計算式で自分のフィーを交渉してくる。
テニスコート(施設)、ボール、水光熱費、広告宣伝費等々は頭にない。
まるで天から降ってきたインドアコートで商売をするかのように
おそろしく単純な計算式でフィーを交渉してくる。
加えて、自分のクラスのお客様は自らの人気で集まってきていると言う。
「オレへの敬意が足りないんじゃないか」と面と向かって言われたこともある。
じゃあ、自分でここまでの施設とお客様をお膳立てしてみたらと言いたくなるが、
そういうことに思いが及ばないから、今の立場でのコーチなんだろうなと思い、
丁寧に収益構造を説明し、フィーを提示してきたけど、溝は埋まらないままだった。
社員と会社のギャップはもっと根が深い。
経営者は「給料の3倍は稼いでもらわないと」と考えるけど、
社員は「給料分働けばいいでしょ」と思う。
基本的にこのギャップは埋まらない。
社員は3倍稼いだら「給料、3倍くださいね」と思う。
3倍稼いでも給料が変わらないんじゃ、給料分やればいいでしょとなる。
そりゃそうだ。普通の感覚である。
じゃあ、その「給料分」てのは?
まずここに大きなギャップがある。
社員の感覚としては、給料明細の「額面」がもらっている分だ。
もしかすると口座に振り込まれる「金額(手取り)」
をもらっている分と思う人もいるだろう。
一方、経営者側から見れば、「その何倍もお金かかってるんだけど」ということになる。
社会保険、雇用保険、福利厚生、本社経費・・・人を雇用すると恐ろしくお金がかかる。
その分も「払っている」という感覚を持つのが経営サイドだ。
いや、経営者でなくとも、ある程度の職位にいればその感覚はあるはず。
ワタクシも運営側というか管理サイドに回った随分昔からそっちの感覚だ。
正直、額面や手取りを「もらっている分」と考えるのは新入社員か、
それに毛が生えた程度のキャリアの人間くらいじゃないかと思う。
つまり会社の構造が分かっていないレベルの感覚ってこと。
あまりに会社ってものがわかっていないレベルは正直話しにならないが、
働く側にしてみれば「ええ、もらってる分は働きますよ。それでひとまずOKでしょ」
という感覚を持つ者も多いのは事実。
運営側の考える「払っている分」と、働く側の「もらっている分」は
感覚的にも永遠に折り合わない。
じゃあ、休みもなく働いて、数字をあげたら、給料が上がるのか?
実はそれもなかなか悩ましい。
経営側にすれば、基盤を安定させたり、次への投資のために内部留保を増やしたいのも本音。
光熱費はすごい勢いで上がっていくし、最低賃金や割増賃金もどんどん上がる。
社会保険の適用範囲も年々広がっていくし、全従業員に有給休暇を付与しなければいけない。
恐ろしい勢いで会社が負担する経費は上昇しているから、
儲かった分を丸々、給料に反映させていたら、会社として立ち行かない。
いったん上げた給料は給料は、数字が下がったからといって簡単には下げられない。
当然、ベースの給料を上げるのには躊躇が生まれる。
そして「頑張っているのに」「成果をあげたのに」「給料が変わらない」となる。
「頑張ったって給料変わんないし、頑張って数字あげたら来年の予算が厳しくなるだけ」
つまり、そこそこやるのが利口ってことに。
どうするのが良いのだろう。
がむしゃらに働いて、たくさんの提案をして、仕組みをつくって
会社の一員としてなくてはならない人になって、
結果、ポジションが上がって収入も増えるってのが良い気がするというか、
ワタクシはそっち方向でやってきたと思っているのだが・・・。
とはいえ、それがそのまま評価されたかというと、
頭が噴火するほど悔しい思いもあったりする。
結局は見てないんだなと。
そして「いや、ぼくは仕事もプライベートもバランスよくやりたいんで」
という人も多くなったような。
働き方改革、ワークライフバランスねぇ。(ため息)
一方で会社側も評価を大きく変えられていない。
ある成果をあげたらドカンと!・・ってのがなかなか出来ない。
ボーナスで大きくというのも、手なんだけど、なかなかね。
なんとなくそこそこの枠組みの中に収まって、
それぞれのギャップを主張し合っている感じになっていないかなぁ。
この業界、そこから変えていかないと衰退産業に一直線な気がするんだけど。
経営者と社員のギャップはもう埋まらないなら、
もう雇用という形態はやめてすべてを業務委託と成果で対応するしかないかも。
会社という組織にぶら下がらないプロ集団みたいな感じ。
皆は、安定と能力&成果の完全連動、どっちがいいのだろうか。
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