ヒーローになりそこねた夜

久々の野球だ。

2週間ぶりを久々というのかは疑問だが、
自分の中では一週間もボールを握らなければ
とにかく久しぶりなのだ。

試合はナイトゲーム。
そしてリーグの公式戦である。

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リーグ最下位と低迷する我がチーム、
今夜こそ勝たなければいけない。
後半戦、待ったなしの崖っぷち状態なのだ。

ワタクシは中継ぎピッチャーで登板、打順は9番だ。
実はこの日のワタクシ、ここまで2打数・2安打・打点4と絶好調。
ランナーを置いて打席に立てば打てない気がしないほど。

投げても、気合のピッチングでピンチを凌いで、
大きく崩れることは無かった。
ここまでは完全にMVP候補って感じだ。

試合は一進一退の乱打戦。
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8回を終えて、10対10の同点。

9回表、ここまで踏ん張ってきたが、押さえのエースが
ファオボールやワイルドピッチで痛い2点を与えてしまう。

9回裏、10対12で最終回の攻撃。
なんとここから驚異的な粘りを見せて、同点まで追いついた。

盗塁アウトと三振で2アウト、ランナー1・3塁。
ヒットが出ればサヨナラの場面。
バッターはここまで押さえで頑張ったピッチャー。

実はこの次がワタクシの打席。
もし前のバッターがフォアボールで出塁すれば、
9回裏・2アウト・満塁というメチャクチャおいしい
場面での打席となる。

ネクストバッターサークルで、
「打たんでいいから、フォアボールでオレにまわせ」
と心のなかで祈っていた。

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1球目空振り、2球目ボール、3球目・・・・打った!
内野の頭を超えるクリーンヒット。
3塁ランナーが返り、劇的なサヨナラ勝ちである。

もちろん嬉しかったのだが、ちょっと残念でもあった。
ここでサヨナラヒットを打てば、間違いなくワタクシが
ヒーローインタビューのお立ち台だったろう。
(注:草野球にヒーローインタビューはありません)

まあ、自分の活躍よりもチームの勝利ってのが
チームスポーツに大事なところでもあるし、
結果としてはこれで良いのだろう。

そうはいっても、前半での4打点や好投が
すっかりかすんでしまったのを見て、
活躍するタイミングも大事なのだなと思った次第である。

ちなみにこの日の観客動員数は、だだっ広いスタンドに3名。
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澤村コーチが家族で観に来てくれた。
小雨降る中、ありがとうございました。
オレ、活躍したよね? ねっ?

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